アブラギリの実がいっぱい成っているところです。
10月くらいになるとこの実が黒くなって落ちるようになります。
この実を拾って種を取り出し、これを絞ると桐油が取れます。
アブラギリは伐採跡地などに生えてきます。上根来では畜産団地跡の造成斜面が一面のアブラギリ林になっているので、この斜面にネットを張って、落ちた実がネットの下端に集まるようにしておきます。
たっぷり集まった実を集めます。
これは若狭東高校の実習の一環として行っています。
集まった実は、まず畜産団地跡にブルーシートを広げ、ここでしばらく乾かします。そのあと袋詰めにして若狭東高校に持ち帰ります。
この実は乾いた状態で保存しておきます。1年や2年程度は十分油が絞れる状態を保てます。
圧搾工程の最初は殻を割る作業です。
最初は1個ずつペンチで割っていましたが、埒があかないので、高校で実習用に使っていたモルタルミキサーの中に実をバラバラと入れてミキサーを回して実を砕きます。
砕いた実をふるいにかけて、殻と種を分けます。
この作業でおおむね種だけを取り出すことができるようになります。
ふるい分けだけではどうしても殻のくずが残るので、最後にドライヤーで風選します。
このようにして種だけを集めます。
圧搾はプレス機を使って直圧搾をしています。
あまり効率の良い絞り方ではありませんが、実習用にはこれで十分だと思っています。
本格的には玉絞り機があったほうがいいでしょう。
じわっと油がしみ出してきます。
絞りたての油は薄皮も混じっているので茶色なのですが、これを珈琲フィルタで漉すと、黄色い粘り気の強い油が取れます。
和傘の骨に和紙を貼り、桐油を塗ってみる実験です。
他に、板材のニスとしての利用なども試してみました。
いろいろと課題はありますが、自然素材の撥水剤としての使い道があると思います。