しがら組は小浜を飛び出した

例年、若狭東高校の実習授業の中で製作している伝統工法しがら組み、今年は上根来ではなく隣町である若狭町の熊川での実施となった。熊川は鯖街道の宿場町「熊川宿」として栄え、宿場町の町並みをよく残しているとして、重伝建に指定されたまちで、年間40万人が訪れているとのことである。地元には保存会があり、行政や周辺企業も積極的にバックアップしている。私も文化財総合把握事業以来、多くの人と関わっている。

 

現場は鹿食害で下草がなくなり、土砂流出が続く竹林伐採跡斜面。設置箇所がブロック積擁壁の天端になるので、地元の業者さんが高校生のために足場を組んでくださった。なんたる厚遇。

杭は、過年度にすでに打ってあり、竹も切っていただいていた。なんたる厚遇。10人の高校生と一緒に竹を編み込んでいく。予想以上に時間がかかったが、例年以上にいいしがら組みができたと思う。

 

終了後、地元の方々と記念撮影。高校生の中に、町内で一緒に祭りをやっている子と、会社の元部下の子がいた。何とも感慨深いものである。

 

この場所は、熊川宿の玄関口として駐車場があるところなので、鉄やコンクリートの土留め壁は避けたいとの地元以降でしがら組みの設置依頼があったものだ。そのニーズには応えられたのではないかなと思う。