今期雪室プロジェクト始動

今冬の上根来雪室プロジェクトが始動した。昨年の経験から学んだ様々なことを活かして、貯蔵庫の改良に着手した。

WACおばまの活動ではない。百里会の奉仕作業として地区民(というか、元地区民)の皆さんが中心になって、しがら組み施工予定地の整地と、貯蔵庫の向きを変えて入り口を切り離し、雪留め壁を作った。大工さんの実力を思い知るとともに、地元の方がこれだけ積極的に取り組んでくれることが嬉しくてならない。

 

貯蔵庫入り口の切り離し作業中。とにかくこういう仕事は上根来大工軍団に任せておくのが一番だ。

雪室貯蔵庫を90°回転させ、少し隙間を空けて入り口を配置し、雪留め壁を立ち上げた。午前中でここまで作業してしまうのはやはりすごい。

昼食はバーベキュー。我々もお相伴にあずかる。思えば去年からこういう場に招いてもらえるようになった。

午後は11/1鯖街道ワークショップに備えて下見。林道から降りて、丸太橋を渡る。

その先には不動の滝。日本遺産認定を経て、これから多くの人たちが根来坂を訪れるようになるわけだが、そこでこういう数多い地域資源を丁寧に紹介していかねばならない。

林道を上ると、視界が開けてくる。丹波高原の幾重にも重なった山々が美しい。

ズームすれば、上根来集落が見える。昔、といってもほんの20年か30年前までは、杉が今ほど育っていなかったので、もっとよく見えたという。

鯖街道は4つのルートがあるが、そのうちこの針畑越えルートは、昔のみちがそのまま残されているところが多い。道がいつしか掘り下げられてできた「深掘れ」。

池の地蔵。峠に近いところに井戸があって水が湧いている。かつては鯖を運ぶ人たちの喉を潤した井戸なのだろう。そのほとりにお地蔵様があり、上根来集落の人がお世話をしている。

雪室のある牛舎跡に戻り、焚き火を囲みみんなでこれからのことやら四方山話を楽しみ、4時前、本日の作業終了。

最近の活動ブログから

2018年

2月

23日

雪室貯蔵開始

雪室はまだ完成していませんが、すでに貯蔵は可能な状態なので、今日は今年初めて貯蔵食材を預かりました。

上根来は暖かさすら感じるいい天気。雪もずいぶん融けて、畜産団地跡の屋根にももうほとんど残っていません。

2回の作業でかなり雪を積んだのですが、前科の写真と比べるとずいぶん融けたようです。

あと1回、週末に雪を積んで完成予定ですが、もう貯蔵庫の中は十分ひんやりしています。

今年初貯蔵は、これまで4年連続ご利用いただいているとば屋酢店さん。

40ケース、600本をお預かりしました。

好評で、「今年はまだ?」という問い合わせもあるそうです。

そういう話を聞くと、がんばって雪室を作ったかいがありますね。

2018年

2月

03日

雪室第1回作業

この冬最初の雪室築造作業です。

まずは現場に行くための道をペイローダーで除雪していきます。

そしてペイローダーで集めた雪をバックホウで積んでいきます。

いつものことですが、百里会の人たちの「現場スキル」の高さに驚くばかりです。

みるみるうちに雪山が高くなっていき、すでに貯蔵庫は雪の下、雪室機能は確保されています。

今回お寒波は特に気温が低かったせいか、牛舎の屋根から雪がぜんぜん落ちておらず、雪が足りなくなってきました。

そこで屋根の上に上って人力で雪を落としましたが、とてもじゃないですが手が回りません。

今日は築造半ばで終了し、また日を改めて続きの作業をすることにしました。

それでも雪室としての貯蔵は可能なところまで作業できました。

2017年

12月

30日

誰もいない年末

物を取りに年末の上根来に行ってきました。

小浜市街には雪はないのですが、さすがに上根来はもう白い世界です。

助太郎も入り口に雪囲いがされ、いよいよ冬眠です。

与左衛門はと見ると、もう雪囲いの半分くらいが雪に埋まっていました。

住む人のいなくなった上根来の年末は本当に静かです。

2017年

12月

11日

冬ごもり

冬が近くなると「雪囲い」をします。屋根雪が落ちてきて厚く積もるため、軒下に囲いをしておかないと、家の戸やサッシが曲がったり壊れたりしてしまうのです。

与左衛門も太い柱と波板、当て板を組み合わせて雪囲いをします。

そして水道の元栓を閉めて、配管内の水を全部抜き、最後に電気のブレーカーを落とします。

これから春まで与左衛門は冬眠に入ります。

入ろうと思えば入れますが、かんじきをはいて歩いてきて、雪囲いの裏に体をねじ込んで、ようやく玄関から入れます。

冬に雪室作りを始めてからは、冬の間に2度や3度は中に入っているのですが、締め切った真冬の家の中は本当に寒いです。

2017年

10月

26日

6年目のしがら組

今日は、若狭東高校の3年生と一緒に「しがら組」を作ります。

しがら組みとは、木と竹で作った簡易土留め柵のことで、コンクリート製のものに比べたら土留め効果はありませんが、山で調達できる自然材料だけで人力で作れる、「手作り治山」です。

今回は、木杭は森林組合の間伐作業で出た不要材、竹は口名田地区の方からご厚意で提供いただきました。

まず現場に木杭を等間隔に打ち込みます。

長さ1.5mほどの木杭をカケヤを使って30cmほど打ち込みますが、なかなか大変な作業です。

次に竹を縦に裂きます。「木元竹末」といって、竹を縦割りにするときは根元ではなく先端のほうから割ります。

最初、ナタをカケヤで打ち込んで割っていきます。

ある程度割れたら、両側から手で引っ張って裂いていきます。両側に均等に反るようにしないと、偏って割れてしまいます。子どもたちは最初は失敗もしていましたが、途中から上手に裂けるようになりました。

太いものは四等分、細いものは二等分にします。

 

このようにして裂いた竹を、木杭の間に互い違いに挟み込んで柵を作ります。

釘などはいっさい使わず、竹のしなりだけで固定します。

こうすると、土砂や雪が柵の裏に堆積すると竹がしなって前にはらみ出しますが、雪が融けたり土砂を取り除いたりするとまた竹が弾力で元に戻ります。

しがら組、完成です。

この活動は今年で6年目。5年は上根来で、1年は同じ鯖街道の若狭町熊川でしがら組を設置しました。

もともとしがら組は山林伐採で裸地化したところに設置していたもので、裸地化することで土砂が流出するのを防ぎ、柵のところに堆積した土の中から木が生えて、大きくなって根を張り、土砂流出を抑えてくれるようになったころにしがら組は腐って土に帰るという、循環型治山施設です。

上根来周辺では近年、シカによる食害がひどくなっています。植林地の放置に加え、シカ食害による森林荒廃が進み、ちょっと雨が降っただけで土砂が流出するようになってきています。このような広範囲の森林荒廃には、従来のコンクリートと建設機械を使った治山だけでは対処しきれなくなっているのではないかと思っています。

それに対するひとつの提案として、自然素材・人力施工による、人間スケールの治山、「市民治山」を進められないかと考えています。その具体策のひとつがしがら組みで、写真をみていただければわかるように、里山景観にもなじんでいます。

これからも取り組んでいきたい活動です。