里山シンポジウム

これまで2年続けてきた「アブラギリシンポジウム」を「里山シンポジウム」と名を変えて開催した。アブラギリにとどまらない多くのテーマを取り上げるようになったからだが、わずか2年前の第1回アブラギリシンポと比べると、すごく充実した。それはまた盛りだくさんすぎてひとつひとつに時間をかけられなくなってしまったということでもあるのだが。(ここまで文章だけ)

投票をすませて若狭東高校へ。名簿上は35人ほどの参加だが、この寒さの中、みんな来てくれるかなと不安だったが、当日参加も含めて50人ほどになった。ありがたい。

 里山シンポジウム開会。これまでの経過を含む全体説明のあと、高校生のプレゼン。初々しくていいなあ。今年はアブラギリだけでなく、葛・こんにゃく・菊花も登場。若狭東高校の総合産業高校の面目躍如といった感じだ。毎年そうなのだが、高校生が一生懸命取り組んできた内容を一生懸命発表している姿を見ていると涙が出そうになる。

こんにゃく作りの体験コーナー。自分たちで植えて収穫したこんにゃく芋の皮をむき、ミキサーで砕いて凝固剤を入れて手練りでこんにゃくを作る。手作り感満載のこんにゃくは、「これ、こんにゃくか?」というほど歯ごたえがしっかりしていて、スーパーのこんにゃくと全然違う。これはすごい。

 

葛作りの体験コーナー。こちらはいろんな商品開発も進んでいて、いろいろなものができている。この日はトマトを使ったムースを作った。最初にトマトの青い香り、そのあとトマトなのか葛なのか、ふんわりほんのりした控えめな甘み。なかなかにうまい。

薬草にも取り組んでいる。菊花茶を飲み、菊花ジャムを食パンにつけて食べた。薬草茶っぽいほろ苦いジャムはうまかった。充実していたと思う。

アブラギリの榾木で栽培したきのこと、手練りこんにゃくを入れた豚汁風きのこ汁。これがまたうまいのだ。アブラギリ栽培のきのこは風味が濃いことを発見した。

そして葉寿司弁当。寿司6貫のうち4貫が究極のへしこ寿司、2貫が小鯛の笹漬け寿司。おかずは弁当なので腐りにくいものをチョイス。焼き魚、だし巻き、ぬたといったなど。T野君の力作は好評であった。容器もいいでしょ。持ち帰る人が多かった。

 

先ほど作ったこんにゃくが刺身で出てきた。やはり歯ごたえしっかり。これは酢味噌が合うかも。

午後はアブラギリ圧搾の実演ときのこ榾木作り。きのこ榾木の作り方を説明する生徒の前にずらりと並んだ参加者。^^;

今年は短木断面栽培。30cmほどの短木を輪切りにして、きのこ菌とおがくずなどを混ぜたものをサンドイッチにはさんでガムテープで止める。これを湿気があるが雨があまりあたらないところに置いておき、夏前にガムテープを外して輪切り面で外して雨があたらない陰においておくと、きのこがぶわーっと発生する。一昨年は予想以上に発生し、成功率も高かった。シンポは成功裏に終了。今日ははるばる富山県からも参加者があったし、まあとにかく充実していたと思う。

最近の活動ブログから

2022年

4月

17日

春の奉仕作業

今日は春の奉仕作業でした。百里会のメンバー10人と応援2人の12人で溝掃除です。

例年になく泥や落ち葉が多く、特に雪でしがら組が壊れた3箇所では、溝がすっかり埋まって大仕事。

いやー、疲れました。

でも、いつもながら百里会のまとまりとパワーには圧倒されます。

2022年

2月

15日

雪室は元気です

ずいぶん暖かくなって、早朝でももうダウンでは暑すぎるのでパーカーを着てウォーキングをしています。

今日の午後は、雪室に600本の酢が入ります。

今年は雪も多いので何度も上根来に行く機会はないだろうと思って、私も今日のうちに地酒を買い集めて入れておくことにしました。自分が飲む分もあるのだけれど希望する人に配りたいと思ったのでちょっと多めに買ってみました。

日本酒だけでなくワインや紹興酒、マッコリなども入れてみることにしました。

蒸留酒は味が変わらないと思われるけれど、物は試しでボウモアを入れてみることにしました。

春になったら希望者を募って送ることにしようと思います。

 

上根来の畜産団地は、全く別世界と思うほど雪がたくさんあります。

こりゃあ、4月頃まで雪が残るかもしれないなと思いました。

今日の雪室貯蔵はFBCの取材がありました。

雪室は断熱もしてあるし日よけもかけてあるので、おそらく6月に入るくらいまでは雪室の機能が残ると思います。(雪そのものは、一番奥の方では夏を越えて秋まで残ります)

今年の夏祭りが2年ぶりに開催されれば雪のプレゼントをしたいですねえ。

2022年

2月

06日

雪室補修

雪室が一部破損していることが分かったので補修作業のため上根来へ集合しました。

市内でも積雪が多く、上根来へなど行けるのだろうかと思っていましたが、早朝からペイローダーで雪かきをしていただいており、難なく現場にたどり着けました。

上根来の皆さんは機動力がすごいのですよ。

 

作業中も雪はどんどん降ってみます。

気温はマイナス2~3℃かなという感触です。

無事作業を終了して帰路につきました。

集落付近は雪に埋もれていました。ここにみんな暮らしてたんだものなと思うと、すごいという言葉しか出てきません。

助太郎の雪囲いの向こうに与左衛門の屋根だけが見えますが、行ってみようという気にもなれません。というか、行けません。^^;

百里会の会長さんのお宅で昼食の弁当を食べ、今後の事について四方山話。楽しい一時でした。

2022年

1月

16日

雪室スタンバイ

午後、除雪をしてもらったとのことなので雪室に行ってきました。

牛舎の間にまた屋根雪がどっさりと落ちて、その気になればあと2~3回雪室が作れるくらい雪があります。雪が全然足りなくて林道の奥まで行くを集めに行っていた年があることを考えると、今年は雪がたっぷりです。

しかし明日からまた寒波なので、また来られなくなるのかなあ。^^;

 

今日は貯蔵庫の中に温度湿度計を設置しました。10分おきにデータを取り続けます。

こういったデータロガーが本当に安く手に入るようになったなあ。

雪室の上にも室外のデータを記録するための温度湿度計を設置しました。

昨年度のデータがこちらです。青が温度でオレンジが湿度です。

データロガーをセットすると温度は直ちに下がって2℃から3℃程度に落ち着きます。雑菌が繁殖する温度は3℃代後半と聞いていますので、4月中旬までは生鮮食料品が鮮度を保つ温度であったことが分かります。

そして6月に入ったころから温度がグッと上昇していますが、このあたりで雪室の機能が失われているようですね。それでも9月中は外気温よりよほど低いのですが。

そして湿度は80%以上をキープしています。今貯蔵している酢やコーヒーにはあまり関係ないですが、野菜を貯蔵するとこの高い湿度がおおいに貢献します。

ちなみに庫外の温度と湿度変化がこちらです。もう全然違います。

温度や湿度の高い低いじゃなくて、安定さが全く違います。いかに雪室が温度も湿度も一定の環境なのかがよく分かりますね。

2019年

2月

23日

雪室完成

今日はモミガラとブルーシートを雪山に被せる、雪室作成最後の作業です。

例年にない少雪の今年、遠敷峠も下の方は雪がどんどんなくなってきています。畜産団地跡も屋根雪はもうありません。

うずたかく積もっていた屋根雪も、もうこれだけしか残っていません。

このわずかに残った雪をかき集めて、できる範囲で雪山に追加しました。これまで何度も3月になってから雪の継ぎ足し作業をしていたのがウソのような話です。

雪の追加が終わり、今日の本番のモミガラ運搬です。

ペイローダーでモミガラを運び、トンパック並みの大袋に入れて、これを雪山の上に引っ張り上げて撒くのですが、この引っ張り上げ作業がずっと悩みの種でした。

今年はそこに救世主塔乗。NPO法人「若狭くらしに水舎」さんからお借りしたロープウィンチです。

ペイローダーでモミガラを運び、大型の袋に入れます。

この袋は底に巾着穴があって、そこから雪を出すことができます。

この袋をまずはバックホウで木柵の上に上げ、そこから雪山の前面斜面をロープウィンチで引き上げます。

モミガラの巻きだし作業は大変ですが、ロープウィンチと巾着袋のおかげで、袋の引き上げ作業はずいぶん楽になりました。

モミガラはたっぷり被せます。

断熱効果があるのはもちろんですが、雪山が融けていくと、その形に追随して、すき間なく被さり続けてくれるので、雪室効果が長く保てます。

モミガラの上からブルーシートをかけて、丸太を上に置きます。

これまではブルーシートが飛ばないようにロープで周りの柱にくくっていたのですが、その方式だとどうしてもすき間ができてしまいます。

この方式なら雪山が融けて下がっていくのに追随してくれるのではないかと、試しにやってみることにしました。何事も「やってみる」ことが大事です。

雪室完成です。

例年より少し雪山が低いですが、例年以上にガチガチに固めてあるので、6月中旬くらいまで持ってくれないかなあと期待しています。

今日はお米の搬入がありました。現在、酢、日本酒、米、へしこ(減塩へしこ)、コーヒー豆を貯蔵中です。